ほとんどの人がご存じであるように、地下鉄で天王寺から日本橋まで行く場合、谷町九丁目経由でも動物園前経由でも運賃は同じである。
これと同じような規則がＪＲにもある。それが「大阪近郊区間」というやつである。この区間内では、出発地から目的地までの運賃は最短距離で計算される。つまり、どのような経路を通っても構わないのである。
例えば、天王寺から大阪まで行くのに、環状線内回りで行こうが外回りで行こうが、王寺〜奈良〜木津〜京橋〜尼崎経由で行こうが、王寺〜高田〜奈良〜京都経由で行こうが一向にかまわないのである。
私はこの方法での旅行中に、奈良発京都行きの快速の中で車内検札が来たが、堺市から２９０円区間の切符（つまり京橋までの切符）を見せて「これで京橋まで行きます」と言うと車掌は納得した。
これで天王寺から１７０円で、合法的に奈良・京都まで行けるのである。もちろん改札を出ることは出来ない（改札を出たところが即ち目的地だから！）。
なーんだと思った人、田舎の中を走る電車に乗って景色を眺められるだけでも十分価値はありますよー、と思うのは俺だけか？ 特に天王寺〜奈良は大和路快速、奈良〜京都は快速、京都〜大阪は新快速または快速、に乗ればゆったりとした座席で快適な電車旅行を楽しめるだろう。
売店で柿の葉ずしでも買って・・・ね！！
最後に注意点を述べておくと、定期券ではこの旅行は出来ない。例えば天王寺〜大阪の定期券があったとしても、それで奈良や京都に行くことは出来ない。定期券は経路を決められているからね。
(補足）
「同じ線は２回通れない」事と「たまに無知な車掌がいるから注意する」事を補足しておきます。後者の対策には「ＪＲ線の営業案内（時刻表などに掲載）」を持参することをお奨めします。このことを指摘して下さった藤田朋氏、ありがとうございました。